2010 Fiscal Year Annual Research Report
植物RNAウイルスのRNAサイレンシング抑制機構及びその制御機構
Project/Area Number |
22780035
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹田 篤史 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教 (60560779)
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Keywords | サプレッサー / DCL1 / RNAサイレンシング / microRNA |
Research Abstract |
RCNMV感染におけるサイレンシング経路の役割を解析するために、dcl1-7、dcl2-1、dcl3-1、dcl4-2の一重から四重変異体、およびrdr1、rdr2、rdr6の一重から三重変異体を収集、栽培しウイルス接種実験に必要な量の種子を用意した。また、RCMV感染におけるDCL1の役割をより詳細に解析するために、これまで用いていたdcl1-9に加えて、dcl1-13とdcl1-100を収集した。これらの植物を用いて、次年度に順次接種実験を行う。RCNMV感染時のDCL1の局在を観察するために、赤色蛍光タンパク質の一つであるTagRFPをN末端に付加したTagRFP-DCL1コンストラクトを構築した。アグロインフィルトレーション法による局在観察の結果、DCL1が核内に局在する様子が観察された。一方、RCNMVの複製を緑色の蛍光で可視化するために、Bi-molecular complementation法を応用したコンストラクトを構築した。この系は、複製酵素成分の一つであるp27のC末端にGFPのN端側を付加したコンストラクト、ラムダファージのN22ペプチドとGFPのC末端側の融合コンストラクト、N22ペプチドが認識するステムループ構造を付加したRCNMVのRNA2を発現するコンストラクトから成る。完成したこれらコンストラクトを用いて、RNA複製中の複製酵素とウイルスRNAの局在を緑色蛍光として観察する計画である。TagRFP-DCL1との共接種を行いRCNMV感染時の複製酵素の局在とDCL1の局在を同時に追跡することを試みる計画である。また、サイレンシングサプレッサーの活性をより簡便に定量化するために、ルシフェラーゼを用いたアッセイ系を構築した。本系を用いる事でサプレッサーアッセイの効率化が可能となった。(767字)
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