2011 Fiscal Year Annual Research Report
植物RNAウイルスのRNAサイレンシング抑制機構及びその制御機構
Project/Area Number |
22780035
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹田 篤史 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教 (60560779)
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Keywords | サプレッサー / DCL1 / RNAサイレンシング / microRNA |
Research Abstract |
RCMVの複製酵素複合体はRNAサイレンシング抑制能をもつ。この抑制能におけるRCNMV遺伝子の役割を解析したところ、RSNMVのMP存在下において複製酵素複合体によるRNAサイレンシング抑制能が上昇することが示唆された。この結果は、MPが単にRCNMVの細胞間移行に関与するだけでなく複製酵素複合体によるサプレッサー活性の活性化にも関与することを示しており、ウイルス学上意義深い成果である。さらにルシフェラーゼを用いたサプレッサー活性のアッセイ系を利用してMPのサプレッサー活性化能を定量化するところである。RCNMV感染にDCL1が重要な役割を果たしていることを以前に明らかにした。ここでは、RCNMV感染時のDCL1局在を観察するために、赤色蛍光タンパク質の一つであるTagRFP2をN末端に付加したTagRFP2_DCL1の一過的発現系を構築した。N.benthamianaへの一過的発現によってDCL1の発現は認められたが、蛍光強度が十分ではなく、感染効率も悪かったため、RCNMV感染時におけるDCL1の局在変化についての検証は出来なかった。そこで、より蛍光強度の強い蛍光タンパク質であるVenusを付加したVenus_DCL1コンストラクトを構築した後、このVenus_DCL1をアラビドプシスのDCL1プロモーター制御下に挿入したコンストラクトを構築した。アラビドプシスのdol1変異体へこのコンストラクトの形質転換を行うことで、安定したDCL1局在の観察系を構築するところである。一方、RCNMVのRNAの可視化については、RNA2に挿入したN22ペプチドが認識するステムループ構造がウイルスの感染に悪影響を及ぼしたため、成功しなかった。現在、ステムループ挿入位置の再検討を行い、複数箇所にステムループを挿入したコンストラクトを新たに作成中である。(784字)
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