2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22780045
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
岩永 将司 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (40400717)
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Keywords | 感染性クローン / ウイルス / 遺伝子 / 持続感染 / 培養細胞 / タンパク質 / カイコ / 相互作用 |
Research Abstract |
Bombyx mori macula-like virus (BmMLV)は、研究代表者等がカイコ培養細胞から発見した持続感染型RNAウイルスである。これまでの研究代表者等は、本ウイルスが既に殆ど全てのカイコ由来培養細胞へ持続感染していること、本ウイルスの感染していない唯一の培養細胞株の樹立、及び本ウイルスの感染性クローンの構築を行って来たが、未だ本ウイルスの感染メカニズム、並びにその由来は明らかではない。そこで、本年度はまず、本ウイルスの由来を明らかにするために、培養液のサプリメントやブドウを初めとする各種植物からの本ウイルスの検出を試みた。しかしながらその結果、いかなる物からも本ウイルスは検出されなかった。そこで、BmMLVの宿主域から、その由来に関する知見を得るため、昆虫に留まらず、植物や各種生物由来培養細胞への本ウイルスの感染実験を行い、現在real-time PCRによる解析を進めている。更に、本ウイルスの感染性クローンを利用したリバースジェネティクスによって本ウイルスの複製メカニズムの解析を進めた結果、本ウイルスのゲノム末端に存在する数個のstem-loop構造が、その複製に必須であることを明らかにした。また、本ウイルスの推定ORF3であるP15が翻訳されていないこともリバースジェネティクスによる変異導入実験の結果強く示唆された。一方で、昨年来続けている酵母2hybridによる解析の結果、本ウイルスのCP同士が結合している事も明らかとなった。これらの結果に関しては3つの学会で発表し、感染性クローンとウイルスフリー培養細胞株については現在、特許出願(審査請求中)、並びに論文として投稿中である。
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