2010 Fiscal Year Annual Research Report
トビイロウンカの相変異の誘導に関わる遺伝子の探索と機能解析
Project/Area Number |
22780050
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
小林 徹也 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫・微生物間相互作用研究ユニット, 研究員 (90355321)
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Keywords | トビイロウンカ / 相変異 / 翅型 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
トビイロウンカHS系統の同じ親世代から生じた幼虫を、高密度と低密度に分けてイネ上で飼育し、異なる翅型を発現する幼虫を得た。3齢、4齢、5齢、成虫について雌雄別にサンプリングを行い、mRNAサンプルを得た。JH esterase等幼若ホルモン合成関連遺伝子について、定量PCRにより発現量の比較を行い、予定翅型とこれらの遺伝子の発現量の関係を調べた。幼若ホルモンと相変異の関連性は長い間研究されながら、なかなかはっきりした結果が得られておらず、貴重なデータが得られた。 また、マイクロアレイ解析を効率よく行うためには、できるだけ多くの遺伝子をアレイに搭載する必要がある。このため、トビイロウンカにおいて、次世代シーケンサーを用いた大量cDNA解析を行った。まず、胚子から成虫まですべてのステージのすべての器官のサンプルからmRNAを抽出し、cDNAに逆転写した後、平均化作業を行い、EST数の遺伝子による偏りを軽減した。このサンプルについてロシュ社GS FLXを用いて塩基配列を決定し、91万個のESTを得た。MIRA3によるクラスタリングの結果、10万弱の遺伝子に分類された。得られたデータをもとにマイクロアレイを設計中である。トビイロウンカにおける次世代シーケンサーを用いた大量EST解析はこれが初めてであり、設計されたマイクロアレイは相変異の研究のみならず、トビイロウンカのさまざまな生理現象の解明に有効に使用できる。
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