2012 Fiscal Year Annual Research Report
植物病原糸状菌の光センシングに関わる光受容体の解明と光応答の多様性に関する研究
Project/Area Number |
22780067
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
木原 淳一 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (40294368)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 植物病原糸状菌 / 光受容体 / 紫外線 / 光応答 / 分生胞子形成 / 遺伝子発現 / イネごま葉枯病菌 / 光センシング |
Research Abstract |
これまでに、イネごま葉枯病菌から光センシングに関係すると思われる①フィトクロム様光受容体遺伝子(BoPHY1)、②クリプトクロム様光受容体遺伝子(BoCRY1)、③オプシン様光受容体遺伝子(BoOPSA/BoOPSB)④光受容体の足場タンパク質と考えられるVeAの遺伝子(BoVeA)、及び、⑤その下流の二次代謝制御因子と考えられるLaeAの遺伝子(BoLaeA)をクローニングし、アグロバクテリウムを用いた形質転換によるこれら遺伝子破壊株の作出を試みてきたが、破壊株を得ることができなかった。そこで、今回、PEG法を用いた遺伝子相同置換による遺伝子破壊実験を行なった結果、すべての遺伝子破壊株の作出に成功した。これら遺伝子破壊株の性状解析を行なった結果、BoCRY1遺伝子破壊株では菌叢生育が顕著に遅くなること、また、野生株がCM培地上で偽子のう殻様の黒い構造物を多数形成するのに対して、BoCRY1遺伝子破壊株では形成されないといった差異が示された。さらに、BoPHY1遺伝子破壊株では、暗黒培養において、野生株では通常形成されない偽子のう殻様の黒い構造物が多数形成されたことから、BoCRY1遺伝子とBoPHY1遺伝子がともに有性生殖に関与することが示された。一方、分生胞子形成については、野生株と比較して、分生胞子形成数に有意に差が見られるものもあったが、分生胞子形成誘導に紫外線が必要である点は野生株とは変わらなかったことから、紫外線による分生胞子形成誘導にこれら遺伝子は直接関与しておらず、紫外線センシングに関与する未知の紫外線受容体が存在することが推察された。 一方、紫外線・青色光照射で発現量が増加する遺伝子に加えて、紫外線照射のみで発現量が増加する遺伝子を明らかにしたことから、この紫外線誘導遺伝子の発現をメルクマールとして、紫外線受容体にたどりつけるひとつの見通しが得られた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)