2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22780086
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 敦 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 特任研究員 (20572332)
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Keywords | 遺伝子発現 / 翻訳後修飾 |
Research Abstract |
本年度は、HNF4が実際脂質付加修飾を受けていることを検証・確認することを目的として研究を行った。 まず内在性のHNF4タンパク質を抗体精製により精製・濃縮する実験系構築を行った。ヒト肝臓癌由来細胞株HepG2細胞より細胞抽出液を調製し、磁気ビーズに抗体を固定化することで抗HNF4抗体ビーズを得た。ここに細胞抽出液を反応させ、特異的に結合した因子をpH2のグリシン溶液により溶出することにより、高効率に内在性HNF4を回収できることがわかった。これにより、これまで過剰発現系を用いて検討していたHNF4の修飾を、内在性のタンパク質を用いて検討することが可能となった。この内在性のHNF4をLC-MS/MSにて測定を行い、得られたスペクトルをコンピューター解析にかけ翻訳後修飾を検討したところ、リン酸化、アセチル化、メチル化、ユビキチン化を含む14か所の翻訳後修飾サイトの同定に成功した。しかしながら、この中に脂質修飾は含まれていなかった。これは、これまでの検討は過剰発現していたHNF4を用いた点に問題があった可能性がある。また、内在性HNF4のうち脂質付加修飾を受けているものの割合が検出限界以下である可能性も挙げられる。 内在性HNF4の脂質付加修飾をさらに検討するために、脂質付加修飾を受けたタンパク質を濃縮しプロテオミクスにより網羅的に同定する手法を用いて検討を行った。その結果、核抽出液画分よりHNF4を含む候補因子群の同定に成功した。これらHNF4以外のタンパク質も含め、実際に脂質付加修飾を受けることをさらにRI化合物等を用いて検証していく予定である。
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Research Products
(5 results)