2010 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナ分裂組織におけるプロプラスチド分裂機構の解明
Project/Area Number |
22780087
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
藤原 誠 上智大学, 理工学部, 准教授 (90332345)
|
Keywords | 色素体 / 葉緑体 / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
葉緑体をはじめとする植物オルガネラ色素体(plastid)は組織に応じて多彩に分化する。それらは基本的に、分裂組織の未分化なプロプラスチド(proplastid)に由来する。プロプラスチドの増殖は植物全組織の色素体分配の基本であるにも関わらず、その分子機構は未だ明らかにされていない。本研究は、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)を活用して、プロプラスチド分裂制御に関する新知見を得ることを目的としている。本年度は、シロイヌナズナの花メリステム周辺組織を用いて、生体プロプラスチドを効果的にモニターする系を立ち上げた。具体的には、カリフラワーモザイクウイルス35S(CaMV35S)プロモーター制御下で色素体FtsZ1ストロマ移行シグナル配列とYFPまたはCFPとの融合タンパク質(TP-YFP,TP-CFP)を発現するシロイヌナズナ形質転換系統を作出した。続いて、それらの形質転換系統と一連の葉緑体分裂異常変異体とを交配した。さらに、解析組織に関して、植物が栄養成長から花成へ転換する際に分裂組織が顕著に増大する点に着目した。花器官発生時の組織を用いることで、効果的かつ非破壊的にプロプラスチドを蛍光検出した。一部の交配体について観察を進めた結果、プロプラスチドは、葉緑体とは異なり、色素体ダイナミン様タンパク質(ARC5)非依存的に分裂増殖することが示唆された。
|
Research Products
(5 results)