2010 Fiscal Year Annual Research Report
超好熱古細菌(始原菌)グリセロール代謝系の解析と応用
Project/Area Number |
22780091
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古賀 雄一 大阪大学, 工学研究科, 助教 (30379119)
|
Keywords | 超好熱菌 / 古細菌(始原菌) / Glycerol代謝経路 |
Research Abstract |
超好熱古細菌(始原菌)の耐熱性酵素は、熱安定性、基質特異性や活性制御機構などに独自の特性を有しており、その生物学的な意義の考察が必要であるとともに、それらを産業応用することが期待されている。本研究では、超好熱古細菌(始原菌)のグリセロール代謝関連遺伝子群(glpオペロン)と関連酵素群の分子構造と機能を解析し、古細菌(始原菌)における同代謝系の特性を明らかにする。本年度は、超好熱古細菌Thermococcus kodakaraensis KOD1由来のGlycerol代謝関連遺伝子群をゲノム情報から探索し、Glycerol代謝経路の予測を行った。その結果、重要な代謝中間体であるGlycerol-3-phosphate (G3P)の分解経路が大腸菌と異なり1種類しかないことが予測された。そこで、G3Pの代謝酵素としてゲノムデータベースにアノテーションされているglpA遺伝子をクローニングし、大腸菌菌体内で組換え酵素を調製した。得られた酵素について、補酵素の検討を行い本酵素がFAD依存的な酵素であることを見出した。また、酵素の温度依存性、pH依存性、耐熱性などの酵素学的諸性質を解析したところ、本酵素は、指摘温度80℃、指摘pH9という超好熱菌の生育環境に適応したGlycerol 3-phosphate dehydrogenase (G3PDH)であることを見出した。また本酵素の速度論的パラメーターを大腸菌由来のG3PDHと比較したところ非常によく似た値を示しており、本酵素が超好熱菌細胞内で有意な活性を示すことが示唆された。また、本酵素の構造解析を目的として、結晶化を試みている。また、Glycerol代謝経路において、本酵素の下流に当たる反応を触媒するDehydroxyacetone phosphate isomerase (TpiA)の遺伝子のクローニングを行い、大腸菌菌体内での組換え酵素の発現を確認した。
|
Research Products
(1 results)