2010 Fiscal Year Annual Research Report
ビフィズス菌のβーアラビノオリゴ糖鎖代謝機構に関わる糖質分解酵素群の解析
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22780094
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
藤田 清貴 鹿児島大学, 農学部, 助教 (20381189)
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Keywords | 糖質分解酵素 / 糖鎖 / プレバイオティクス / β-アラビノオリゴ糖 / ビフィズス菌 / アラビノシダーゼ / ヒドロキシプロリン / 代謝機構 |
Research Abstract |
本年度は、植物細胞壁に普遍的に存在するエクステンシンの糖タンパク質糖鎖であるβ-アラビノオリゴ糖鎖を分解する酵素群の中で、特にアラビノビオースを遊離させるβ-L-アラビノビオシダーゼの諸性質の解析を中心に研究を行った。その結果、本酵素が糖転移能を有するアノマー保持型の酵素であり、触媒活性にはカルシウムの存在が重要であることを明らかにした。また、欠失変異体を用いることでN末端側894アミノ酸が酵素の触媒活性及び安定化に重要な領域であることを明らかにした。本酵素のアミノ酸配列は既知の糖質加水分解酵素と全く相同性を持たないことから、新たに設立された糖質加水分解酵素ファミリーGH121に登録された。また、本酵素を用いることで遊離のオリゴ糖鎖だけでなく、糖タンパク質から直接アラビノビオースを遊離させることができた。さらに、各種ビフィズス菌の中でビフィドバクテリウム・ロンガムのみが本酵素活性を有していることを、培養菌体を用いて確認することができた。これらの結果から、人間の大腸に定着しているビフィドバクテリウム・ロンガムは、β-L-アラビノビオシダーゼを用いて野菜などに含まれるβ-アラビノオリゴ糖鎖を分解し、栄養源として利用して増殖することで、良好な腸内環境の維持に寄与していると考えられる。現在、β-アラビノオリゴ糖鎖の分解に関わるα-L-アラビノフラノシダーゼ及びβ-L-アラビノフラノシダーゼについても、基質調製と諸性質の解析を平行して進めており、来年度の継続課題として取り組んでいく予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Molecular cloning and characterization of a β-L-arabinobiosidase in Bifidobacterium longum that belongs to a novel glycoside hydrolase family.2011
Author(s)
Fujita, K., Sakamoto, S., Ono, Y., Wakao, M., Suda, Y., Kitahara, K., Suganuma, T.
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Journal Title
J.Biol.Chem.
Volume: 286
Pages: 5143-5150
Peer Reviewed
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