2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22780104
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田浦 太志 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (00301341)
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Keywords | ダウリクロメン酸 / 生合成 / エゾムラサキツツジ |
Research Abstract |
エソムラサキツツジ(Rhododendron dauricum)が生産する抗HIV成分のダウリクロメン酸はポリケタイド合成酵素、プレニル転移酵素および酸化閉環酵素の3種の酵素が関与する経路で生合成されると考えられる。昨年度私はホモロジーベースのRT-PCRを用いた手法によりポリケタイド合成酵素および酸化閉環酵素の遺伝子クローニングを行い、得られた各遺伝子について組み換え酵素を調製してアッセイを行うことにより、目的のクローンが得られたことを確認した。一方、プレニル転移酵素についてはRT-PCR法により候補遺伝子を得るに至りなからたため、本年度はエゾムラサキツツジのEST解析を基盤としてプレニル転移酵素をコードする遺伝子の探索を検討した。即ち、エゾムラサキツツジ新鮮葉からRNAを抽出し、断片化cDNAライブラリーを調製した後、次世代シークエンサー(イルミノナ社ゲノムアナライザー)によりショットガンシークエンスを行った。次いで、得られた短鎖配列につい七各種ソフトウェアを用いたアセンブルを行うことで数万単位のコンティグを含むESTデータを構築し、既知植物プレニル転移酵素を要求配列とするBLAST検索により候補遺伝子を抽出した。この結果、二次代謝経路のプレニル転移酵素を含め各種の既知酵素と相同性を持つ候補遺伝子の配列を8種決定することができた。なおダウリクロメン酸生合成経路のプレニル転移酵素はfarnesy1基を転移するが、興味深いことに得られた配列のうち一種はprotoheme farnesy1transferaseと類似した配列を有していた。以上のように本年度私はダウリクロメン酸生合成経路の網羅り解明に向けてプレニル転移酵素遺伝子について検討し、その候補配列を得るに至った。
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