2011 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病発症に関わる脂肪組織内免疫環境の食品成分による制御
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22780111
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
平井 静 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 助教 (90432343)
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Keywords | 食品 / 肥満 / 免疫 / 生活習慣病 |
Research Abstract |
これまで、糖尿病などの生活習慣病の発症原因として、脂肪細胞内に浸潤したマクロファージによる炎症反応が知られていた。しかしここ数年の研究により、肥満者の脂肪組織内にはマクロファージ以外にもT細胞やマスト細胞といった免疫細胞が多数浸潤し、このような脂肪組織内の免疫環境の悪化が生活習慣病を誘導することが判明してきた。そこで本研究では、脂肪組織の免疫環境全体をモデル化したin vitroスクリーニング系において脂肪組織の免疫環境改善作用を有する食品成分を探索し、その作用メカニズムを明らかにすることを目的として行った。 まず、T細胞の浸潤に着目したスクリーニング系の構築を試みた。C57BL/6マウスの脾臓からT細胞を単離・精製後、活性化条件の検討を行った後、十分に活性化したT細胞をセルインサートの上部wellに播種し、下部wellには高脂肪食誘導性の肥満マウス(C57BL/6)から採取した脂肪組織の培養培地、または各分化段階にある3T3-L1脂肪細胞の培養培地を添加した。その結果、T細胞は20日間培養した3T3-L1細胞の培養培地に対して有意な遊走活性の上昇を示したため、スクリーニング系として適していることが考えられた。 そこで次に、このスクリーニング系を用いてT細胞の浸潤に影響を与える食品成分の探索を行った。その結果、カロテノイドの一種であるアスタキサンが濃度依存的にT細胞の浸潤を抑制する傾向が認められた。アスタキサンチンを添加した3T3-L1細胞では脂肪滴の小型化が観察されたため、アスタキサンチンは脂肪細胞の小型化を介してT細胞の浸潤を抑制している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度目標にしていた、脂肪組織の免疫環境のin vitroスクリーニング系の構築に成功し、この系を用いてT細胞の浸潤を抑制する食品成分を見出すことができた。マクロファージの浸潤に関する検討も予備検討が終了しており、概ね順調に進展していると考えられる。また昨年度の成果も現在論文投稿準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度見出された、脂肪組織内免疫環境の改善に関わる可能性がある食品成分に関して、その作用メカニズムを明らかにするとともに、マウスを用いてin vivoにおける効果を評価する。
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