2012 Fiscal Year Annual Research Report
高脂肪食摂取下で脂肪肝感受性を決定する遺伝子の同定:染色体部分置換マウスを用いて
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22780118
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小林 美里 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (20456586)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 脂肪肝 / コンソミック / 遺伝解析 / マウス |
Research Abstract |
食事因子の中でも高脂肪食は高インスリン血症、血中脂質代謝異常、脂肪肝などの生活習慣病を誘導する。しかし、高脂肪食摂取による脂肪肝の形成においても、元来の各個人の遺伝的背景が深く関与する。 本研究では、高脂肪食に応答して脂肪肝感受性を示すモデルマウス(SMXA-5)において同定された第12番染色体の脂肪肝感受性遺伝子座Fl1sa(fatty liver 1 in SMXA)の責任遺伝子を探索することを目的とした。マウス第12番染色体のセントロメア側に存在するFl1saは、A/Jマウス由来アレルが脂肪肝感受性を示し、SM/Jマウス由来アレルが脂肪肝抵抗性を示す。そして、脂肪肝感受性アレルを有するA/Jマウスに抵抗性アレルを保有するSM/Jマウスの第12番染色体のみを置換したコンソミックマウスを用いてきた。このコンソミックマウスは高脂肪食摂取下で脂肪肝抵抗性を示す。平成24年度では、コンソミックマウスの肝臓の網羅的な遺伝子発現量解析から見出した1つの候補遺伝子に注目して、この候補遺伝子が脂肪肝の形成に及ぼす影響をin vitro(培養細胞系)での機能解析を中心に研究を行った。 候補遺伝子をマウス肝ガン細胞株に恒久的に過剰発現させた過剰発現細胞株を樹立した。この恒久過剰発現株では、肝臓での脂肪酸合成に関わる転写因子SREBP-1cの遺伝子発現量が低下し、トリグリセリド合成においてもグリセロール骨格へアシル脂肪酸を転移させるDGATの遺伝子発現量が低下した。本研究により、脂肪肝原因遺伝子の候補遺伝子が、肝臓内のトリグリセリド合成を負に制御することを見出し、この遺伝子が肝臓での脂質代謝に関与する新たな分子である可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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