2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22780125
|
Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
細田 香織 杏林大学, 保健学部, 助教 (60433728)
|
Keywords | 大豆イソフラボン / 薬物代謝酵素 / UGT / SULT |
Research Abstract |
大豆イソフラボンであるダイゼインとゲニステインは、主に肝臓でUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)及び硫酸転移酵素(SULT)により代謝され、大部分はグルクロン酸抱合体、硫酸抱合体となる。そのため、これら抱合体の種類と生成量は、代謝経路に関与するUGTおよびSULTの酵素活性を反映する。本研究の目的は、大豆イソフラボンの代謝を利用し、UGT及びSULTの活性評価系を確立することである。平成22年度は、目的達成に必要なゲニステインのグルクロン酸抱合反応に関与する主要なUGT分子種の同定を行った。 予めプールドヒト肝ミクロソームを用い、酵素反応条件の最適化を行った。生成される7位グルクロン酸抱合体(G-7-G)および4'位グルクロン酸抱合体(G-4'-G)への代謝速度を、基質であるゲニステインの濃度に対してプロットし、V_<max>値とK_m値を算出した。次いで、至適条件下にてゲニステインを12種UGT発現系ミクロソーム(UGT 1A1, 1A3, 1A4, 1A6, 1A7, 1A8, 1A9, 1A10, 2B4, 2B7, 2B15, 2B17)と反応させ、生成したG-7-GおよびG-4'-GをHPLC法により定量分析し、UGT分子種の代謝活性を評価した。UGT分子種の代謝活性は、UGT 1A4を除く11種にて確認され、その活性はいずれも7位>4'位であった。G-7-Gへの代謝活性はUGT 1A9と1A1、G-4'-GへはUGT 1A10と1A9が高いため、これらが主要分子種であると考えられた。また、UGT 1A10は小腸のみに発現しているため、G-4'-Gへの代謝は小腸で主に行われ、肝臓でのG-7-GとG-4'-Gへの代謝にはUGT 1A9が主に関与している可能性が示唆された。
|