2010 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋における脂肪酸結合タンパク質の生活習慣病における役割と関連分子の探索
Project/Area Number |
22780129
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
楠堂 達也 中部大学, 生命健康科学部, 助手 (00460535)
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Keywords | FABP / 骨格筋代謝制御 / AS160 |
Research Abstract |
FABPは小型の細胞内タンパク質で細胞内において脂溶性物質の輸送に関与している。本研究では生活習慣病の病態発症におけるFABP3の役割と関連分子の探索を目標としている。平成22年度は実験計画に従い、1.FABP3の発現上昇が影響を与えるシグナル経路の解析、2.FABP3と相互作用するタンパク質のプロテオーム解析、3.トランスジェニックマウスの作製を行った。 1.FABP3の発現上昇が糖代謝に与える影響を検討するために、FABP3発現C2C12細胞の糖取り込み能について検討した。その結果、FABP3の発現はC2C12細胞の糖取り込みを基底レベルで有意に増加させた。ウエスタンブロティングによりシグナルを解析したところ、グルコース取り込みに重要な役割を果たす、AS160のリン酸化が有意に上昇していた。この原因を解明するために、AS160の上流のシグナルについて検討し、FABP3がAktやAMPKの経路を介してAS160を活性化し、グルコース取り込みを上昇させることを明らかにした。これらの結果をまとめ国際専門誌であるGenes to Cellsに投稿し受理された。 2.FABP3と相互作用するタンパク質を得るために、抗FABP3抗体を用いた免疫沈降、及びGST-FABP3融合タンパク質をpull down assayを行った。しかしながら、非特異的なバンドが多く、FABP3が相互作用するターゲット分子の特定には至らなかった。 3.骨格筋特異的FABP3過剰発現トランスジェニックマウスを作製するために、ヒトαアクチンプロモーターにヒトFABP3遺伝子を連結しトランスジーンを作製した。培養細胞を用いてトランスジーンが機能することを確認した後、本トランスジーンをマウス胚にマイクロインジェクションし骨格筋特異的FABP3過剰発現トランスジェニックマウスを作製した。
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Research Products
(2 results)