2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22780130
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Research Institution | Kyushu Nutrition Welfare University |
Principal Investigator |
大貫 宏一郎 九州栄養福祉大学, 食物栄養学部, 講師 (50378668)
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Keywords | 精神機能 / 機能性食品 / 動物行動 / 生理心理 / ペプチド / 香り / ヤマブシタケ |
Research Abstract |
日本ではこの11年間に連続して自殺者が3万人を超え、その原因の第1位がうつ病である。うつ病や心身症といった精神疾患は深刻な社会問題であり、対策に必要な福祉医療費が国庫を圧迫しつつあるのが現状である。予防医学の観点からストレスやうつ病に対処する必要性が今後ますます重要視されることは想像に難くない。市場には、抗不安、抗うつといった精神機能性を謳ったサプリメントや食品が出回っているが、確たるエビデンスを持った食品はほとんどないのが現状である。そこで本研究は、ストレスやうつを改善する、エビデンスをベースとした食品の開発に寄与することを目指し、マウスの行動テストバッテリー及びヒトの総合的な生理心理解析システムを用いて、精神機能に影響を与える機能性食品成分の探索を行った。いくつかの応用事例の例として、コラーゲンを特定の酵素で分解したペプチドを継続的に摂取したマウスの行動を、同量のタンパク質を摂取したマウスと比較したところ、鬱や不安傾向が低下して、脳重量の増加や神経新生の促進が観察された。また、ペプチドのいくつかをPC12細胞培養液に添加してその影響を観察したところ、特定のペプチドが神経突起を伸長させる結果を得た。その他、NGF産生を向上させると言われるヤマブシタケを含有する食品について、含有しないプラセボ食との比較で検討したところ、摂取2週間後において有意に主観的な不安感を低下する結果が得られた。以上の結果より、動物行動実験系やヒトの主観的評価方法が、食品の機能性検出に効果的であることが示され、このシステムが食品成分の精神機能性評価に有用であることが示唆された。
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