2010 Fiscal Year Annual Research Report
一分子解析による食品成分間相互作用が吸収に及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
22780131
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
小堀 俊郎 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品工学研究領域, 主任研究員 (10353971)
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / PepT1 / リポソーム |
Research Abstract |
原子間力顕微鏡(AFM)の相互作用力測定モードを活用し、PepT1の分子認識機構を解明することを目的とする。具体的には、AFM測定基板上の脂質二重膜に再構成したPepT1と、基質であるオリゴペプチドで修飾したカンチレバーを作製して一分子解析系を構築するとともに、PepT1-基質間に作用する相互作用を検出する。平成22年度は、目的タンパク質の発現、精製条件の検討を行うと共に、リポソームへの再構成を試みた。まず、ヒトPepT1遺伝子のクローニング、及び発現ベクターの作製を行い、免疫染色法により培養細胞による膜画分への発現を確認した。フラスコに付着した細胞を2mM EDTAを含むHBS(Hepes Buffered Saline)緩衝液で洗浄後、同緩衝液で回収した。細胞破砕した試料のうち、膜画分を遠心操作により取得した。この膜画分を500mM NaCl 1% CHAPSを含むHBS緩衝液で可溶化し、引き続き超遠心分離によって上清画分を回収した。PepT1はヒスチジンタグ(His-tag)融合タンパク質として発現されるため、ニッケルアガロースとともに懸濁・洗浄を行った後、イミダゾールで溶出することにより精製PepT1を得た。次に、精製したPepT1をリポソームに再構成するため、CHAPSを透析により除去しつつ単層リポソームでPepT1を安定化させる必要があった。HBS緩衝液を透析外液として用いて、終夜室温で透析を行った。予備的検討の結果、透析法によりPepT1がリポソーム膜内へ再構成される可能性を示唆するデータを得た。今後、再構成効率の向上を目指して諸条件の最適化を行う予定である。
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Research Products
(3 results)