2011 Fiscal Year Annual Research Report
ニホンジカの高密度化による森林生態系の改変がツキノワグマに与える影響
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22780141
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
小池 伸介 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 助教 (40514865)
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Keywords | 大型哺乳類 / ツキノワグマ / 生態系改変 / ニホンジカ |
Research Abstract |
本研究はこれまでシカの分布・生息密度が制限されてきた山岳・森林地帯を主要な生息地とするクマの生態、特に食性、行動等にシカの増加が与える影響の調査・解析を行う。本年度は東京都奥多摩山地を調査地として調査を実施した。具体的な実施内容は、(1)シカの増加前後の時期におけるクマの食性比較、(2)過去のクマ食性履歴の復元による時系列的なシカの影響の評価。(3)クマの行動に与えるシカの影響・誘因性調査。具体的には 調査1:シカの増加前後の時期におけるクマの食性比較 奥多摩地域で食性調査を行い,既存研究事例(シカ増加前後の時期間あるいはシカ増加有無の地域間)とのクマの食性を比較することで,食性に占めるシカの割合の違いを明らかにした. 調査2:過去のクマ食性履歴の復元による時系列的なシカの影響の評価 昨年度の丹沢山地に引き続き、奥多摩地域でクマの体毛の採取を行った.4月よりクマの捕獲を開始し,6頭を捕獲・体毛の採取を行った.収集した体毛は,過去のものとともに安定同位体比解析を実施した. 調査3:クマの行動に与えるシカの影響・誘因性調査 奥多摩地域でGPSによるクマの追跡調査から,クマの集中利用域を解明した.集中利用域の踏査により,クマの行動に与える直接的な影響を定量的に評価した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年間計画で,3地域の調査地を設定しているが,2年間で2地域での調査を終えることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は残りの1地域で重点的に調査を行うとともに,これまでの結果を踏まえて総合的に解析を行う.
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