2010 Fiscal Year Annual Research Report
トカラ列島における森林性鳥類の生物地理:渡瀬線を挟んだ島々での繁殖分布と集団構造
Project/Area Number |
22780153
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
関 伸一 独立行政法人森林総合研究所, 関西支所, 主任研究員 (50343801)
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Keywords | トカラ列島 / 鳥類 / インベントリ / 繁殖種 / 無人島 |
Research Abstract |
トカラ列島における鳥類の観祭記録の整理、情報不足地域の現地調査、聞き取り調査による新たな記録の収集、既存の文献の収集と整理を行い、現時点での網羅的なトカラ列島の鳥類目録を作成し、種ごとに季節的な記録頻度の変化を明らかにすることにより、繁殖種・繁殖の可能性の高い種、および繁殖の可能性のある種を抽出すると共に、今後の補完調査が必要な地域と季節の特定を行った。その結果から明らかになった、トカラ列島における全記録種数は317種で、島ごとの記録種数は最も多い中之島の257種から、平島の231種、悪石島の172種、宝島の162種、口之島の127種、諏訪之瀬島の122種、小宝島の89種、臥蛇島の42種、横当島の37種、上ノ根島の9種まで大きく異なっていた。種数最大の中之島の面積がトカラ列島中最大で、最大標高も高く、最も面積の小さい上ノ根島で最も記録種数が少ないという事例は認められたが、面積や標高は必ずしも記録種数と相関はしていなかった。現地調査では、鳥類の調査がほとんど行われていなかった無人島の一つ、臥蛇島に上陸して現地調査を実施し、これまで記録のなかったキビタキ、ヤマガラ、サンコウチョウなどの生息や、アカヒゲ、メジロなどの繁殖を確認した。また、臥蛇島以外の無人島(横当島および上ノ根島)について現地調査実施のための情報収集を行った。トカラ列島における繁殖種について遺伝子サンプル収集と形態計測を行った。
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