2010 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリアセルロースで補強した環境配慮型竹繊維ポリマー複合材料に関する研究
Project/Area Number |
22780159
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
小島 陽一 静岡大学, 農学部, 助教 (80377796)
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Keywords | バクテリアセルロース / 竹 / 複合材料 |
Research Abstract |
今年度は複合材料の原料となる竹繊維を竹材から取り出し、繊維のサイズが複合材料に与える影響を調べることを目指した。静岡大学構内に植栽されたモウソウチクをハンマーミルによって粉砕し、繊維化した。しかしながら、ハンマーミルによる粉砕では形状が大きく、複合材料の原料に用いることはできないと判断した。今後、爆砕法やアルカリ処理によってより強度効率の良い竹繊維を取り出す手法を確立したい。また、ナタデココを使用する予備実験として、市販セルロースパウダーから補強材として使用可能なセルロースナノファイバー(CNF)の作製を試みた。具体的には、市販セルロースパウダーを遊星型ボールミルにより湿式粉砕した(セルロースパウダー13.5gに対して蒸留水200ml)。処理条件は回転数250rpm、60分処理を標準とし、数段階設定した。ボールミルによる効果をみるために、粒形分布を測定した。処理後にアルコール置換によってCNFを回収し、さらに凍結乾燥機にて2日間乾燥することでCNFの粉末を得た。これを電子顕微鏡によって観察した。その結果、遊星型ボールミルの使用によってセルロースパウダーの表面にナノオーダーの毛羽立ちが確認された。この毛羽立ち(ナノフィブリル)は複合材料に添加することによって三次元的な絡み合い効果を生み、非常に優れた補強効果となると期待できる。また回転数、処理時間によってセルロースパウダー自体のサイズに大きな差が生じることが明らかとなったことから、複合材料に混合する際には最適条件を見つける必要があると示唆される。
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