2011 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリアセルロースで補強した環境配慮型竹繊維ポリマー複合材料に関する研究
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22780159
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
小島 陽一 静岡大学, 農学部, 准教授 (80377796)
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Keywords | セルロースナノファイバー / 竹 / 複合材料 |
Research Abstract |
本年度は竹ポリマー複合材料の作製およびその性能評価をまず実施した。検討した項目は、竹とポリマーの配合割合、カップリング剤の有無による影響、養生期間の有無による影響である。結果としては、ポリマーに竹を混合する量が多いほど、強度が向上すること、竹の割合が多いほど、吸水率が高くなることを明らかにした。これは、竹が水分を吸収したことと、竹が多いことで試験体内部の空隙が増加し、その空隙に水分が浸入したためと思われる。また、カップリング剤の有無によって性能に差が生じた。カップリング剤を添加しない場合には、性能が低下した。カップリング剤の変性度の違いによっても複合材料の性能に差が生じる結果となった。また、養生期間無しで試験体作成後すぐに試験をした場合は、1週間ほど養生したものに比べ、性能が僅かではあるが低下した。これはポリマーの結晶性によるものであると思われる。次に、竹ポリマー複合材料におけるセルロースナノファイバー混合による補強効果について検討した。結果はセルロースナノファイバーを複合材料に添加することによって強度性能に大きな性能変化はないものの、弾性率の向上および吸水率の低下という改善が見られた。またセルロースナノファイバーの添加割合を変化させてみると、適切な配合割合が存在していることが明らかとなった。今回はセルロースナノファイバーをボールミルにて作成したが、その作成条件(ボールミルの回転数および処理時間)は1種類に固定して行った。そのため、ボールミルの条件を変化させることによって作成したセルロースナノファイバーを複合材料に混合した場合について検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
竹ポリマー複合材料にセルロースナノファイバーを混合することによって各種性能が向上するであろうという当初の予想通り、向上させることを明らかにできたことから、順調に進捗していると思われる。来年度にセルロースナノファイバーの形状を変化させた場合に各種性能がどのように変化していくかを明らかにすることで本研究の目的が達成できると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に引き続き、竹ポリマー複合材料におけるセルロースナノファイバー混合の影響について、より詳細に調査していく。特に今まではセルロースナノファイバーの作成方法を1種類に固定してきたが、木粉とセルロースナノファイバーを混合したボードでの実験結果を既に得ており、その結果に基づいて、数段階の作成方法で作成したセルロースナノファイバーを混合して複合材料を作成する予定である。
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Research Products
(2 results)