2012 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリアセルロースで補強した環境配慮型竹繊維ポリマー複合材料に関する研究
Project/Area Number |
22780159
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
小島 陽一 静岡大学, 農学部, 准教授 (80377796)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | セルロースナノファイバー / 竹 / 複合材料 / WPC |
Research Abstract |
本年度は竹粉ポリマー複合材料の作成およびその性能評価を実施した。検討した項目は、主に竹粉とポリマーの配合割合の影響、カップリング剤の量、添加の有無による影響、セルロースナノファイバーによる補強効果の影響について、である。 ポリマーと吸水率の関係を考察すると、ポリマーの添加量の増加に伴い、吸水率が低下し、ポリマー添加量が10%増加すると吸水率が1.3%低下することが分かった。竹粉ポリマー複合材料の実測密度と理論密度の差はほとんどなく、吸水は複合材料中の空隙ではなく、竹粉に由来するものと考えられる。引張強度はポリマー添加量に対して大きく変化しなかったが、弾性率はポリマー添加量の増加に伴い低下した。ポリマーと竹粉が等量の系において吸水率に対するカップリング剤の効果を検討した結果、無添加の系は、カップリング剤添加系と比較して高い吸水性を示し、カップリング剤添加により竹粉のセルロース表面が改質され疎水化された効果が確認できた。またカップリング剤添加によって引張強度は向上するが、弾性率には影響を及ぼさないことが示唆された。複合材料にセルロースナノファイバーを添加した場合には、耐水性の向上が顕著に見られた。引張強度の向上はあまり見られなかったが、弾性率は向上した。これは竹粉表面に添加したセルロースナノファイバーにより竹粉表面にフィブリル状の毛羽立ちが形成され、フィブリル同士の相互作用が発現したことによると考えられる。 最後に本研究課題を総括すると、竹粉ポリマー複合材料での耐水性向上効果はポリマー添加量を増やすと吸水率が減少するものの弾性率の低下を伴い、実用面では課題となった。一方、カップリング剤、セルロースナノファイバー添加による効果は耐水性の向上に加えて引張強度の向上あるいは弾性率の向上という新たな機能性が付与されることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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