2011 Fiscal Year Annual Research Report
木質構造物の剛性偏心・耐力偏心を考慮した弾塑性挙動の解明
Project/Area Number |
22780162
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Research Institution | Building Research Institute |
Principal Investigator |
荒木 康弘 独立行政法人建築研究所, 構造研究グループ, 研究員 (40435582)
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Keywords | 木質複合構造 / 平面併用構造 / 剛性偏心 / 耐力偏心 / 木質ラーメン |
Research Abstract |
(1)剛性・耐力偏心を考慮した木質複合構造物の実大振動実験 (1)実大振動台実験の予備試験として、高剛性低靭性タイプと低剛性高靭性タイプの集成材フレームの構造性能に関する情報収集を行った。収集した情報に基づき、集成材フレームの荷重変形関係を仮定し、実大振動台実験試験体の動的挙動を予測するための予備解析を実施した。 (2)2種類の集成材フレームと木質耐力壁を並列に配置した1層箱型試験体を1棟ずつ、合計2体作成し、実大振動台実験を実施した。入力地震動は日本建築センター波(L1,L2)とした。各構面の負担水平力を把握するため、三分力計を配置した。実験結果として、いずれの試験体とも併進的な振動から木質耐力壁側が大きくねじれる挙動を示した。解析結果と比較すると、実験結果の方が大きくねじれる傾向を示した。 (2)耐力偏心が木質複合構造物の弾塑性時の挙動に与える影響を考慮した設計法の提案 1層立体試験体を模した2つの解析モデル(集成材フレームと木質耐力壁を耐震要素とする擬似立体モデルと、集成材フレームと木質耐力壁の耐震要素の構造性能を加算した1質点モデル)に対し地震応答解析を実施し、応答値を比較した。集成材フレームの剛性・耐力・変形性能をパラメータとした。 解析結果から、弾性剛性は耐力壁より低くても、最大耐力が耐力壁と同程度で、かつ変形性能を有する集成材フレームでは、擬似立体モデルの応答変位は質点系と大きく変わらないこと、弾性剛性は耐力壁より高くても、変形性能に乏しいフレームでは、擬似立体モデルの応答変位は質点系モデルよりも大きくなる可能性があることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験的検討として、集成材フレームと木質耐力壁を併用した構造物の動的挙動を確認するための実大振動台実験を実施し、併用構造物特有の振動性状を確認できた。 解析的検討として、集成材フレームと木質耐力壁を併用したモデルの安全性について検討を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である24年度は、主として解析的検討を中心に行い、耐力偏心が木質複合構造物の弾塑性時の挙動に与える影響を考慮した設計法の提案を行う。
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