2012 Fiscal Year Annual Research Report
魚類の獲得免疫系における細胞性免疫と液性免疫のウイルス感染防御効果
Project/Area Number |
22780176
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
杣本 智軌 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40403993)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 水産学 / 魚類 / ギンブナ / ウイルス / 獲得免疫 / T細胞 |
Research Abstract |
前年度までの研究により、魚類のヘルパーT細胞(Th細胞)は、哺乳類のTh細胞と同様にウイルス感染に対する液性免疫の二次応答を誘導することを明らかにした。しかし、Th細胞の移植の有無に関わらず、ウイルス抗原に対する細胞性免疫の二次応答が誘導されたことから、魚類のウイルス感染細胞に対する細胞性免疫応答は、Th細胞に依存しない経路によっても活性化されることが示唆された。この見解から、本年度は魚類の細胞性免疫の誘導機構に着目し、次の研究を遂行した。 まず、魚類のウイルス抗原特異的な細胞障害活性の主役が、本当に細胞障害性T細胞(CTL)なのかを検討した。Crucian carp hematopoietic virus (CHNV)を致死量以下で感染させたS3n系統のクローンギンブナから末梢血白血球を分離し、抗ギンブナCD8抗体、抗ギンブナIgM抗体を用いた磁器ビーズ分離法によって細胞障害T細胞(CTL)とB細胞、プラスチック付着性を利用し単球、比重分離法を用いて好中球を単離し、それらをエフェクター細胞とした。また、CHNVを感染させたCFS細胞(S3n系統のギンブナ由来の細胞株)を標的細胞とし、エフェクター細胞と標的細胞を混合培養し、細胞障害活性をLDH遊離法にて測定した。その結果、CTLを除去しても、2/3の障害活性が残ること、単離した単球とIgM/CD8陰性リンパ球は、CTLと同等かそれ以上の障害活性を有することが明らかとなった。以上の結果から、ウイルス感染細胞に対する細胞性免疫は、CTLだけでなく、単球やNK様細胞も大きく関与していることが示唆された。この結果と前年度までの見解から、Th細胞に依存しない経路によって単球やNK様細胞が活性化され、二次応答様の細胞性免疫が誘導されることが推測された。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|