2010 Fiscal Year Annual Research Report
真骨魚類における浸透圧調節機構の共通性と多様性の解明
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22780183
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
廣井 準也 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (20350598)
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Keywords | 塩類細胞 / イオン輸送体 / 環境適応 / 淡水 / 海水 / 浸透圧調節 |
Research Abstract |
魚類は,鯉の「塩類細胞」をつかって,淡水と海水という全く異なるイオン環境に適応することができる.研究代表者はこれまで,ティラピアの塩類細胞のイオントランスポーターを同定・可視化することにより,4型の塩類細胞が存在することを発見し報告した(Hiroi et al.J Exp Bio1 2005,2008).ところが,この4型の分類が,他の魚種では当てはまらないことが分かってきた.そこで今年度はニジマスと海産アユをとりあげ,塩類細胞に特異的なイオントランスポーターを同定し,複数のトランスポーター群を同時並列的に解析することにより,塩類細胞の機能的分類を試みた. まず,淡水に馴致させたニジマスとアユの鰓から,淡水適応トランスポーターと推定されるNa/Cl共輸送体(NCC)とNa/H交換体(NHE3)の遺伝子クローニングを行った.その結果,両魚種とも,NCCを単離することはできなかったがNHE3(NHE3b)を単離することができた.次に,ニジマスを淡水・海水(20psu人工海水)・低イオン水の3区に馴致させ,複数のイオントランスポーターについてmRNAレベルを定量化したところ,イオン取り込み機能が亢進する低イオン区においてNHE3bのmRNAが有意に上昇することが明らかとなった.さらに,NHE3b,Na/K-ATPase(NKA)およびNa/K/2Cl共輸送体(NKCC1)を同時3重免疫蛍光染色によって可視化した.その結果,ニジマスの鰓の塩類細胞は (1)NKA陽性,(2)NKA・NKCC1・NHE3b陽性,の2型に明瞭に分類され,ティラピアとニジマスにおける共通性と多様性が明らかとなった.
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Research Products
(2 results)