2011 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺ホルモン受容体遺伝子の発現量を健苗性評価に用いたワカサギ増殖技術の向上研究
Project/Area Number |
22780184
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Research Institution | 地方独立行政法人北海道立総合研究機構 |
Principal Investigator |
水野 伸也 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, さけます・内水面水産試験場, 研究主任 (70442655)
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Keywords | 甲状腺ホルモン受容体 / ワカサギ / 健苗性 / 増養殖 |
Research Abstract |
ワカサギ孵化放流事業では、仔魚の大量斃死が起こる事例がみられる。事業効率化のためには、放流前に胚の健苗性評価を行い、大量斃死を抑止する技術を開発しなければならない。過去の研究から、卵中の甲状腺ホルモンが魚類の初期発生に重要な役割を果たしており、同ホルモンは、甲状腺ホルモン受容体(TR)と結合して、その作用を発現することが知られている。これまでの研究から胚のTRmRNAの発現量と孵化後斃死率の間に相関がある傍証を得ている。本研究は、TRmRNAの発現量を指標としたワカサギ胚の健苗性評価技術及び仔魚の生残率向上技術の開発を行うことを目的とした。平成23年度は、1.胚の健苗性評価技術の開発及び2.仔魚の生残率向上技術の開発を行った。 1.3種のTRのうちTRαBのmRNA発現量が最も孵化率と相関が強かった。TRαBmRNA発現量については、8℃~16℃の間では影響がみられず、胚発生に伴い有意に増加した。健苗性評価を積算水温170℃の発眼卵で、推定孵化率70%を下限として行うと、TRαBmRNA発現量の健苗値は約0.04amol/μgtotal RNAとなった。この健苗値を用いて9群の孵化場産発眼卵の評価を行ったところ、9群のうち6群で健苗性が良好と推察された 2.雌成熟魚に各種濃度の甲状腺ホルモンを1回または2回投与し排卵された卵を人工授精させ、孵化率を調べた結果、1μg/g体重のトリヨードサイロニンを1回投与すると、約10%孵化率が向上した。
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Research Products
(4 results)