2011 Fiscal Year Annual Research Report
個別畜産経営体による家畜衛生管理選択行動と経済性の評価
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22780197
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
窪田 さと子 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (90571117)
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Keywords | 家畜衛生管理 / 二重プロセス理論 / リスク認知 / 時間選好率 / 経営視点 / 酪農家 |
Research Abstract |
酪農経営体による衛生管理の実施程度の違いは,個々人のリスクを認知する過程に違いがあることが一因であると仮定し,情報処理過程に分析型と直観型の2つが存在するという二重プロセス理論を用いて分析を進めてきた.直観型を採用する農家の感染症に対するリスク認知は,分析型に比べて低いにも関わらず,家畜の農場外への移動等,対外的な衛生管理に対しては実施率が高いことが明らかにされた.以上の結果は,「2011年日本農業経済学会論文集」に掲載された.また,分析型および直観型の農家特徴を分析した結果を,ベトナムで開催された7th ASAE International Conference(2011年10月)にて報告している. さらに,時間的変化とリスク認知の関係を考察するために酪農家を対象としたアンケート調査を実施した.時間的変化を考察する場合,長期的な調査が不可欠であるため,その予備調査として時間選好率を用いて酪農家の経営視点を明らかにすることを本調査の目的においた.加えて,衛生管理行動を変化させる要因を探ることにより,どの要因を起点として考察すべきかを把握している.アンケート対象地域は,北海道でも酪農家の衛生管理の実施程度が高い地域であり,当該地域における衛生管理行動の変化は農協の指導が起因となっていた.また,自農場での家畜疾病の発生,他農場での重篤な感染症発生も行動変化の要因として挙げられていた.特に,自農場での疾病発生は長期的な視点との関連性も見られている.以上の結果に基づき,当該地域での衛生管理ワークショップの開催,学会での報告を予定している.
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Research Products
(3 results)