2013 Fiscal Year Annual Research Report
農業気候変動緩和策の普及可能性と持続性に関する研究-途上国を中心として-
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22780201
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
丸山 敦史 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (90292672)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 気候変動緩和策 / リスク回避 / 農家行動 / 持続性 / 途上国 |
Research Abstract |
昨年度のフィリピンとウガンダの比較研究において、リスク態度と環境負荷の少ない農業技術の採用意向との関係に一部矛盾する結果が得られた。そのため、本年度はウガンダで追加調査を実施した。調査地は、昨年度同様、Kyankwanzi県とIganga県とした。両県は、首都カンパラからほぼ同じ距離に位置している。調査対象農家は、作成済みのコメ農家リストから昨年度調査対象とならなかった農家をランダムに抽出し、最終的に64戸からデータを得た(有効回答は63件)。リスク態度は、昨年度用いたHolt and Laury型(10段階のスケール)の方法と、圃場の選択行動からリスク態度を測る方法(単収の平均値と変動幅が異なる仮想的な圃場に対する選択行動を調査)、更に、種子の選択行動からリスク態度を測る方法(天候変動が不確実な状況下で、単収の水準と変動の仕方が異なる仮想的な種子に対する選択行動を調査)という3つ方法で調査した。分析の結果、Holt and Laury型の指標と種子選択による指標との間には共通性があり、また、圃場選択による指標と種子選択による指標との間にも共通性が見いだされた。更に、それぞれのリスク指標には異なる個人属性が影響を与えていること、いずれのリスク指標を用いても、新技術の導入について、リスク回避的な農家の方が強い導入意向があることなどが明らかになった。この結果は、昨年度のウガンダ調査の結果と一致するものだった。従って、リスク態度の調査方法が分析結果に与える影響は大きいものではない。ゆえに、フィリピンとウガンダの農家行動の違いは、調査方法の違いによると考えるよりも、地域差として存在している可能性が高いと考えるべきであろう。農業気候変動緩和策の普及可能性を高めるには、リスク態度を中心とした農家属性による行動の違いや地域的な差異を十分に考慮しなくてはならない。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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