2010 Fiscal Year Annual Research Report
持続可能な農村の実現に向けた社会関係資本の意図的な蓄積の可能性
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22780205
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
松下 京平 滋賀大学, 経済学部, 講師 (20552962)
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Keywords | 持続可能な農村 / 社会関係資本 / 政策評価 |
Research Abstract |
本研究の目的は、農林水産省が2007年度より実施する農地・水・環境保全向上対策を分析事例に、持続可能な農村を実現する上で鍵を握るとして注目される社会関係資本において、政策実施者によるその意図的な蓄積が可能かどうかを、計量経済学の手法を援用し定量的に検討することである。そこで当該年度前半は、本研究の要となる社会関係資本の概念整理および定量化の手法について検討した。一般的に、国内の社会関係資本に関連する研究の多くは、世界銀国やイギリス統計局が設定する質問事項を用いて、社会関係資本の蓄積量を指標化してきた。しかし、社会関係資本を構成する諸要素は地域によって異なった形態をとりうる。そこで本研究では、しばしば先行研究でなされるように一元的な指標で社会関係資本を定量化するのではなく、信頼やネットワークなどの多元的な指標により包括的に社会関係資本を定量化することとした。当概年度後半では、当該年度前半の成果を踏まえた上で、滋賀県内の農業集落を対象としたアンケート調査を行った。アンケート調査は農村地域の農家だけでなく非農家をその射程に含める必要があるため、日本郵便が提供する配達地域指定郵便物(タウンメール)サービスを利用し、広範囲かつ大規模に展開した。調査表の最終的な配布数は総計4,471通、回収部数は1,143通、回収率は25.6%であった。回収した調査票は個人情報保護の観点から厳重管理の下、データの整理・加工を行い、平成23年度に実施予定の計量経済学的分析の下準備を整えた。
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