2010 Fiscal Year Annual Research Report
原価差異分析と原価管理を組み込んだ農業経営計画手法に関する研究
Project/Area Number |
22780212
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
松本 浩一 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター・農業経営研究チーム, 主任研究員 (10355472)
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Keywords | 原価差異分析 / 原価管理 / 農業経営計画 / 線形計画法 |
Research Abstract |
平成22年度は、計画に基づき以下の事柄を実施した。 1原価管理を組み込んだ農業経営計画手法を構築するための基礎的な視点を得るために、文献サーベイによって、特に制約理論のスループット計算に基づく管理会計の導入可能性を検討した。制約理論では、販売額から原材料費を控除した金額(スループット)に基づいて生産する製品の種類と生産量の最適な組み合わせ求めている。この考え方は、線形計画法や試算計画法に類似するものを持っていることが確認できた。そのため、この制約理論におけるスループット計算の考え方を線形計画法に置き換えて援用を図ることで、原価管理の組み込みが可能になるものと推察できた。平成23年度では、スループット計算の考え方を線形計画法へ具体的に組み込む一方で、スループット計算から財務分析への展開を検討することで、原価管理を踏まえた農業経営計画手法を構築する。 2生産資材の投入ベースで農業経営計画を構築していくために、農業経営計画を支援する既存のシステムへの汎用利用も考慮しながら、生産資材等の投入量と生産量の関係性に関する基礎的なデータを収集・管理するためのプログラムを構築した。このプログラムは、作目単位で生産量、販売収入、生産資材の投入量、資材の単価、労働時間などのデータを収集して管理できる一方で、農業経営計画で必要となる基礎的な経済的、技術的な指標の作成を支援することができる。このプログラムを用いることで、投入と産出の技術的な関係に関するデータベースの構築に寄与することが可能となる。ただし、データベースとして活用を図るためには、投入と産出の技術的な関係に関して収集したデータが不十分であり、23年度も適宜、そのデータ収集を図ることにしたい。
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