2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本のカキ養殖業における家族経営の再生産条件と市場対応に関する研究
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22780216
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Research Institution | National Fisheries University |
Principal Investigator |
副島 久実 独立行政法人水産大学校, 水産流通経営学科, 講師 (40455499)
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Keywords | カキ養殖 / 市場対応 / 家族経営 / 水産物 / 漁村 / 産地対応 |
Research Abstract |
本研究は、世界的にカキの産地間競争が激しくなる中で、日本のカキ産地がどのような状況にあり、かつ市場対応をしようとしているのかを明らかにすることを通じて、小規模な家族経営の再生産条件を解明しようとするものである。 本年度は、主に統計や既存文献を用いて、現在の日本のカキ産地の状況を明らかにした。その結果、日本におけるカキ養殖の生産量は1989年以降減少傾向にあること、生産金額は90年代に入り徐々に大きくなったものの最近は減少傾向にあること、大規模・専業が特徴の広島県が圧倒的に大きいシェアを示しているが、そのシェアは年々小さくなってきていること、一方で最近では新興産地が形成され、これら産地において経営規模は小規模ながらも、既存産地との差別化を目指し、ブランド化の試みやオーナー制など市場対応に工夫を凝らしていること等を明らかにした。 以上のことから、今後の日本のカキ養殖産地の再生産のあり方については、いかに規模拡大していくかというよりも、むしろ今日的な市場対応のあり方を検討していくことが重要な要件となってきていることが示唆された。
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