2012 Fiscal Year Annual Research Report
日本のカキ養殖業における家族経営の再生産条件と市場対応に関する研究
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22780216
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Research Institution | National Fisheries University |
Principal Investigator |
副島 久実 独立行政法人水産大学校, その他部局等, 講師 (40455499)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 水産経済 / カキ養殖 / 家族経営 / 再生産条件 / 市場対応 / 女性 |
Research Abstract |
1.世界的にカキ養殖の産地が形成されている中で、日本国内においても産地間競争が激しさを増している。その中でこれまで企業的な大規模経営によって日本のカキ養殖における圧倒的なシェアを占めていた広島県の地位は下落傾向を示し、他方で小規模な家族経営の宮城県や岡山県、その他の新興産地が、市場対応に工夫を凝らすことでシェアを伸ばしつつある。本研究は、日本のカキ養殖業における家族経営の存立構造と市場対応の状況を明らかにし、小規模な家族経営の再生産条件を解明しようとすることを目的としている。 2.本年度は、(1)岡山県におけるカキ養殖産地におけるヒアリング調査と資料収集、(2)広島県におけるカキ養殖産地の全体状況についてのヒアリング調査および資料収集、(3)福岡県におけるカキ養殖の現状に関するヒアリング調査などである。 3.上記の現地調査の結果、以下のような知見を得ることができた。(1)家族経営を中心としながら経営を行ってきた岡山県においては、カキのむき身作業において日本人労働力から外国人労働力への置き換えが着実に進んでおり、産地によっては経営体の二極化が進みつつある。(2)地位が下落傾向を占めつつある広島県において、以前は地域によってカキの浜値が平均化されていたが、最近は経営体間で格差が出てきており、各経営体における生き残り競争が激しくなっている。(3)カキ養殖の新興産地である福岡県においてはカキ養殖業者がカキ小屋を経営することで、生産者が小売部門まで進出しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の中心となる広島県や岡山県などでの現地調査を順調に進めているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は広島県と振興産地の現地調査をすすめ、研究成果の発表に努めていく予定である。
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Research Products
(1 results)