2012 Fiscal Year Annual Research Report
農耕地を対象としたクリンカアッシュによるハイブリッド型水質浄化システムの構築
Project/Area Number |
22780223
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
岡澤 宏 東京農業大学, 地域環境科学部, 准教授 (30385504)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 窒素 / 石炭灰 / クリンカアッシュ / 窒素吸着 / 水田 / 透水性 / 粒度 |
Research Abstract |
東日本大震災以降,石炭火力発電所の需要が高まっている。一方,石炭灰の一種であるクリンカアッシュが改正リサイクル法に適用され,廃棄物から資源への利用拡大が求められている。本研究では,多孔質であるクリンカアッシュの性質に着目し,水田から排出する窒素成分の吸着効果について研究を進めてた。特に,クリンカアッシュの透水性と窒素吸着能に主眼を置いて研究を進めた。 室内においてクリンカアッシュのカラム試験を行った。実験試料には,粒度調整によって透水性を変化させた4種類のクリンカアッシュを用いた。これらの試料をカラムに充填し(4試料×3反復),流入水濃度がアンモニア態窒素10mg/Lの溶液をカラム内に通水し,121日間の観測を行った。 また,クリンカアッシュの現地への適用を想定し,長野県長野市の水田地帯と北海道ニセコ地域の畑作地域で河川の窒素濃度を測定し,クリンカアッシュを活用した農地排水の浄化システム構築の可能性について検討した。 室内実験より,クリンカアッシュの透水性が異なっても,クリンカアッシュ自体には窒素吸着能が発現することを明らかにした。また,クリンカアッシュの粒径が小さいほど,透水整が低く,窒素吸着能が持続的に発現することが明らかになった。ただし,クリンカアッシュによる窒素吸着は本実験条件下では3ヶ月程度と短かった。また,硝酸態窒素については吸着効果は確認されたが,持続性については明らかにできなかった。 現地調査では,畑作地域では河川窒素の大部分が硝酸態窒素であり,室内実験でクリンカアッシュによる硝酸態窒素の窒素吸着能を明らかにできなかったので,現地での適用について検討するに至らなかった。一方,水田地域では窒素濃度は有機態窒素とアンモニア態窒素が高く,水田地帯ではクリンカアッシュによる窒素吸着効果を活用した水質浄化システムの可能性について示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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