2011 Fiscal Year Annual Research Report
サーカディアン共鳴現象の解明と応用による高機能組換えレタスの高生産
Project/Area Number |
22780232
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
福田 弘和 大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (90405358)
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Keywords | 植物工場 / 体内時計 / ルシフェラーゼ発光 / 同期制御 / 遺伝子組換えレタス / 時計遺伝子 |
Research Abstract |
植物の体内時計(サーカディアンリズム)が昼夜サイクルと"共鳴"すると、植物の成長や光合成効率が最大になる。この現象はサーカディアン共鳴現象と呼ばれ、レタスにも観察できることから閉鎖型植物工場でも十分な効果が期待できる。この現象は時計遺伝子の遺伝子発現レベルにおける共鳴現象に起因すると推測されており、メカニズムの解明によって分子レベルの制御への発展も期待できる。そこでH23年度は、(1)多様な人工環境を実現できる閉鎖型植物工場の機能を活かしたパルス同期制御法の研究、(2)体内時計の最適化によってもたらされる生育促進効果やタンパク質生成促進効果、形態形成へ与える影響などを数値化し評価する、ことを行った。 (1)多様な人工環境を実現できる閉鎖型植物工場では、最適解(最適な環境条件)も多様であると考えられる。そこで、多様な光条件をデザインすることができるパルス同期制御法をさらに発展させることを目的に行った。 まず、1.ルシフェラーゼ遺伝子導入レタスを用いて、各種パルス刺激(赤色パルス光、青色パルス光)に対するサーカディアンリズムの応答関数を求めた。次に、2.位相応答関数を利用した同期現象の数理モデルを作成し、コンピューター・シミュレーションを行なった。3.コンピューター・シミュレーションで得られた最適解を、実験で検証した。 (2)体内時計の制御が生育やタンパク質生成、形態形成に与える影響に関する研究は、体内時計の状態を正確に計測し制御する技術がこれまで無かったため、研究そのものが不可能であった。そこで、パルス同期制御法などを利用して、このような研究を可能にできる手法の研究を試みた。今回、生重量、乾物重、クロロフィル濃度、ルシフェラーゼタンパク質の生成量に関する定量を行い、体内時計制御の生産性への影響を明らかにした。
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Research Products
(11 results)