Research Abstract |
本年度は,シミュレーションによるアルゴリズムの検証と,基本システムの構築を行った。 シミュレーション:汎用計測制御ソフトウェアである,LabVIEWとMatlabを用い,ビークル制御のシミュレーションを行った。シミュレーションには,ビークルの動的モデルや仮想的なGPSセンサー,GPSコンパス,ジャイロセンサー,画像センサーが組み込まれている。農作業としては,田植を想定した。田植においては,隣接苗列との間隔を正確に保つことと,畦と平行に田植えを行うことが,非常に高い精度(<10cm,<1°)で要求される。本実験においては,精度の低いGPSセンサーをセンサーフュージョン手法によって,補正することを試みた。これにより,従来画像センサーだけでは大きく進路が蛇行するといった問題や,精度の低いGPSでは,苗列の間隔を正確に保つことができないといった問題を解決できた。 基本システムの構築:基本システムとして,GPSコンパスとMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサーを用いたIMU(Inertia Measurement Unit),2つのカメラからなるステレオビジョンシステムを同一のフレームに取り付けたものを作成した。また,既存の設備である高精度なRTK(Real-Time Kinematic)-GPSを2台同一のフレームに設置し,参照用のデータが計測できるようにした。マシンビジョンによって農地内の対象物とシステムとの相対位置を検出するためには,正確にフレームとカメラの位置関係および回転角度を調べる必要がある。そこで,トータルステーションと写真測量ソフトウェアを用い,キャリブレーションを行った。また,同期信号生成用のGPSを用い,GPS信号にロックした1Hzと10MHzの信号を生成した。この基準信号を分割して,カメラに供給することで,正確にカメラとGPSの同期がとれるようになった。
|