2010 Fiscal Year Annual Research Report
ほ乳期の栄養制御による豚の筋肉内脂肪調節機構の解明
Project/Area Number |
22780245
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
芦原 茜 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所・畜産温暖化研究チーム, 研究員 (40547717)
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Keywords | 栄養・飼養 / 筋肉内脂肪 / ほ乳期 / 豚 / 筋肉内結合組織 |
Research Abstract |
本研究では、筋肉内脂肪蓄積に重要な影響を及ぼすと考えられるほ乳期に焦点を絞り、エネルギーおよびタンパク質摂取量の制限が筋肉タンパク質代謝、結合組織および筋肉内脂肪細胞の分化に及ぼす影響を明らかにすることを目的として行った。 【方法】供試動物は、父方半兄弟LWD雌子豚8頭を用いた。分娩後3日間は初乳を給与し、3日齢になった時点で実験を開始した。処理区は、養分要求量を充たす量を給与する対照区と、ビタミン、ミネラル摂取量は充足させ、エネルギーおよびタンパク質摂取量のみ対照区の50%に相当する量を給与する試験区の2区とした。試験期間は、3日齢から離乳時である28日齢までを試験期間とし、28日齢到達時点でと畜サンプリングを行った。サンプリング部位は胸最長筋とし、胸最長筋の筋肉重量、筋肉内脂肪含量および総コラーゲン含量を測定し、また、凍結切片を作成し、筋肉内脂肪細胞および結合組織の染色を行った。 【結果】試験区の飼料摂取量は対照区の1/2程度であった。このことから、試験区の体重および日増体量は対照区の約半分であり有意に低い値を示した(P<0.05)。胸最長筋肉重量は、試験区は対照区より有意に高かった(P<0.01)が、体重あたりの胸最長筋肉重量は処理区間で差は認められなかった。また、筋肉内脂肪含量(%)は処理区間で差はなかった。総コラーゲン含量は、試験区が対照区より多い傾向(P<0.1)を示した。また、凍結切片における筋肉内結合組織をアザン染色した場合、試験区が対照区より染色部面積が多かった。以上から、摂取量を制限することにより、筋肉発達は抑制されるが、筋肉内結合組織含量は増加する可能性が示唆された。
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