2011 Fiscal Year Annual Research Report
核膜孔タンパク質Tmem48/Ndc1の配偶子形成過程における機能の解明
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22780252
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
秋山 耕陽 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 非常勤研究員 (20515142)
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Keywords | 畜産学 / 生殖生物学 / 遺伝子 / 発生・分化 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
1.sksマウスにおける核構造の解析 各遺伝子型の成体の精巣組織標本を作成し、坑LAMINB1抗体および坑SCP3抗体を用いて免疫蛍光染色により調べたところ、sks/sks個体では約60%の生殖細胞のにおいて核膜の一部が変形しており、特に減数分裂第一分裂前期パキテン期後期以降の精母細胞にその異常が際立つことが明らかになった。 2.Tmem48/Ndc1の卵子形成機構における機能解析 (1).受精能および発生能の観察 sks/sks個体より排卵される卵子が受精能および発生能を有するかを検討するため、過排卵処理を施したsks/sksもしくは野生型のメス個体と野生型オス個体を交配させ、1.5日胚を卵管灌流により採取し観察した。その結果、野生型個体では約75%が2細胞期胚であったの対してsks/sks個体では、その多くが未受精卵などの異常胚であり、2細胞期胚は約18%にとどまることが明らかになった。さらに、回収した2細胞期胚を培養し、胚の発生を観察したところ、野生型由来の2細胞期胚は、約96%が胚盤胞期まで発生を進行させたのに対して、sks/sks個体由来の2細胞期胚以降に全く発生が進行しないことが判明した。 (2).卵母細胞および受精卵におけるTMEM48の発現 排卵後の卵子および受精卵や初期胚におけるTMEM48の発現を調べるため、野生型メス個体に過排卵処理を施した後、未受精卵(MII期胚)および受精卵(前核期胚)または初期胚(2細胞期胚)を採取し、抗TMEM48抗体を用いウエスタンブロッティングを行ったところ、MII期胚、前核期胚および2細胞期胚においてTMEM48の発現が確認された。次に、抗TMEM48抗体を用いてMII期胚および前核期胚におけるTMEM48の局在を免疫蛍光染色により調べた結果、MII期胚では卵全体に一様の陽性反応があり特定の局在を確認することはできなかったが、前核期胚では前核周囲に局在することが明らかになった。
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