2012 Fiscal Year Annual Research Report
創薬へ向けた原虫トランスクリプトームの高解像度解析
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22780258
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山岸 潤也 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (80535328)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 次世代シーケンサー / TSS-seq / 原虫 / トキソプラズマ / バイオインフォマティクス / トランスクリプトーム / 転写制御 |
Research Abstract |
本研究は次世代シーケンサーを用いた網羅的・高解像度なトランスクリプトーム解析方法をアピコンプレクス門原虫に適応することで、遺伝子発現のカタログ化と転写制御の分子機構を明らかにし、創薬ターゲットのスクリーニングに結び付けることを主眼としている。 最終年に当たる平成24年度では、本研究で得られた知見を統合することで、アピコンプレクス門原虫のプロモーター構造に関するモデルの提案と、代謝パスウェイ解析に基づく創薬ターゲット遺伝子の選抜と評価を試みた。 まず、Cryptosporidium parvumとBabesia bovisの転写制御に関わるcis-element候補として、それぞれ、GGCGCCとATGGGGを特定した。これらはトキソプラズマで特定されたcis-element候補と同様に転写開始点の上流50塩基程度に局在したことから、この局在様式はアピコンプレクス門原虫に一般の性質と考えられた。さらに、哺乳類等で重要な機能を担うとされるTATA boxの存在を検証したところ、アピコンプレクス門原虫ではTATA boxは全く存在しなかった。これらの知見から、アピコンプレクス門原虫と哺乳類等では転写開始に関わる分子機構に大きな違いがある可能性が示唆され、転写機構という生命活動の根幹をなす機構が創薬ターゲットとなりうる可能性が見出された。一方、スポロゾイトの代謝パスウェイ解析からは、このステージの原虫が電子伝達系ではなく、脂肪酸β酸化を利用してATPを合成している可能性が示唆された。各種阻害剤が原虫内ATP濃度に与える影響を調べた結果、電子伝達系は用いられていない可能性が示唆された。脂肪酸β酸化について確定するは出来なかったが、脂肪酸β酸化で産生されるアセチルCoAを電子伝達系の介在なしにATPへ変換するシステムが存在するならば、これも創薬ターゲットとしての可能性を持つことになる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)