2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22780266
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
中尾 暢宏 日本獣医生命科学大学, 応用生命科学部, 助教 (60377794)
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Keywords | 光周性 / 下垂体隆起葉 / Eyes absent 3 / 甲状腺刺激ホルモン |
Research Abstract |
動物が季節的な繁殖活動(光周性)を行うためには、日長を測時し適切な時節を読み取らなければならない。近年この時節測時機構は、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の新たな作用によるものである事が証明された。すなわち下垂体前葉の付け根に位置する下垂体隆起葉から産生・分泌されるTSHが脳内に作用し生殖腺を制御する機構である。このように内分泌機構には、よく分かっていない器官や機能が残されている。そこで、TSHと同様に下垂体隆起葉で時節・時刻依存的に発現変動する転写共役因子Eyes absent 3 (EYA3)に着目しEYA3の遺伝子カスケードを明らかにする事により、家畜、家禽の下垂体隆起葉の内分泌的機能を解明する事を目的とした。EYA3のターゲット遺伝子を探索するために、まずEYA3と転写共役因子複合体を形成するタンパク質を下垂体隆起葉から調製したタンパク質ライブラリーを用いてYeast two-hybrid法によりスクリーニングを行なったところ、EYA3単独でレポーター遺伝子の活性がみられた。そこで特定の遺伝子欠失をもつEYA3欠失ベクターを作成しスクリーニングしたところ101個のレポーター遺伝子活性株が得られた。この中には、EYA3と複合体を形成するタンパク質が含まれていると考えられる。また、作成したウズラEYA3の抗体は、クロマチン免疫沈降法に適していなかったが、免疫組織化学およびウエスタンブロット法より下垂体隆起葉で時節・時刻依存的にEYA3のタンパク質が検出できた。以上よりEYA3は、下垂体隆起葉でタンパク質複合体を形成しTSHと同様にタンパク質レベルで光周性に関与していると推定される。
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