2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規予防法開発に向けたアフリカトリパノソーマ原虫の細胞分化の分子メカニズム解明
Project/Area Number |
22780269
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
櫻井 達也 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教 (60547777)
|
Keywords | 感染症 / 原虫 / Trypanosoma congolense / 細胞分化 / 2D-DIGE |
Research Abstract |
家畜アフリカトリパノソーマ症の主要病原体であるTrypanosoma congolenseの生活環における非増殖性のメタサイクリック型(ツエツエバエ体内型)から増殖性の血流型(宿主体内型)への分化は、原虫の伝播に必須であるため、本原虫の予防法を開発する上で有望な標的と考えられている。しかしながら、その分子メカニズムは未解明である。本研究の目的は、この細胞分化に関係する原虫蛋白質を同走し、分化の分子メカニズムを解明することである。過去の報告から、メタサイクリック型虫体を血流型培養用の培地を用いて33℃で培養することで、24時間後には血流型が出現することが分かっている。また、研究代表者によるこれまでの実験から、分化誘導開始後8時間後には、血流型に似た挙動を示す原虫細胞の出現が観察されていた。そこで、これらの情報を基にして、血流型への分化時における原虫蛋白質の発現の変化を経時的に解析した。まず、分化誘導をしていないメタサイクリック型と、6時間および12時間分化誘導したメタサイクリック型虫体から総蛋白質を抽出した。その後、二次元電気泳動法をベースにした蛋白質発現量の比較解析手法である2D-DIGE法を用いて、分化誘導していないメタサイクリック型と、6時間および12時間誘導したサンプルをそれぞれ比較した。その結果、6時間分化誘導した場合、発現量が1,5倍以上増加したスポットが16スポット、1.5倍以上減少したスポットが9スポット検出された。また、12時間誘導した場合では、発現量が2倍以上増加したスポットが14スポット、2倍以上減少したスポットが78スポット検出された。この結果は、原虫の分化が経時的かつダイナミックに進行していることを示唆しており、発現量に差が認められた蛋白質の中に、分化に関わるものが含まれている可能性が高いと考えられる。
|
-
[Journal Article] Genotyping of sand fly species in Peruvian Andes where leishmaniasis is endemic2012
Author(s)
Fujita, M., Kato, H., Gaceres, A. G., Gomez, E. A., Mimori, T., Zhang, F., Iwata, H., Korenaga, M., Sakurai, T., Katakura, K. and Hashiguchi, Y.
-
Journal Title
Acta Tropica
Volume: 121
Pages: 93-98
DOI
Peer Reviewed
-
-
[Journal Article] Structural characterization and epitope mapping of the glutamic acid/alanine-rich protein from Trypanosoma congolense : defining assembly on the parasite cell surface2011
Author(s)
Loveless, B. C., Mason, J. W., Sakurai, T., Inoue, N., Razabi, M., Pearson, T. W. and Boulanger, M. J.
-
Journal Title
The Journal of Biological Chemistry
Volume: 286(23)
Pages: 20658-20665
DOI
Peer Reviewed