2012 Fiscal Year Annual Research Report
難治性犬膀胱移行上皮癌に対するHERー2を分子標的とする新規治療法の確立
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22780280
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
星野 有希 北海道大学, (連合)獣医学研究科, 助教 (80523323)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 移行上皮癌 / 分子標的治療 / HER-2 / 犬 |
Research Abstract |
犬の移行上皮癌症例より腫瘍組織を採取し、初代培養を行った。得られた細胞の性状確認を行ったところ、移行上皮癌であることが確認でき、また3株とも免疫不全マウスに移植可能であった。結果として3症例の移行上皮癌細胞株を樹立した。 樹立した移行上皮癌細胞株は全てHER-2を遺伝子レベルおよびタンパクレベルで発現していた。正常膀胱粘膜ではHER-2の発現は認められず、膀胱炎症例など炎症を起こしていると思われる膀胱粘膜では遺伝子レベルでHER-2の発現は認められるものの、定量的PCR検査による遺伝子発現量においては移行上皮癌より発現量は低かった。ただ現段階ではHER-2の過剰発現が腫瘍の原因であるのか結果であるのかはわかっていない。 ヒト抗HER-2抗体であるトラスツズマブを含む各種抗癌剤を用いた抗癌剤感受性試験を実施した結果、トラスツズマブによる膀胱移行上皮癌細胞傷害性はほとんど認められなかった。また、用いたその他の抗癌剤ではパクリタキセルの感受性が3株とも有意に高く、移行上皮癌に対する抗癌剤療法として期待できるものであった。トラスツズマブに関しては、同時に実施したヒト膀胱癌細胞に対しても同様に細胞傷害性を示さなかったことから、細胞傷害性がADCCを介する可能性があるとされており、in vitroでの評価は難しい可能性が示唆された。 また、犬のHER-2の塩基配列を元に、ポリクローナル抗体をウサギを用いて作製した。今後、この抗体を使用して膀胱腫瘍症例犬の血清中HER2測定系を開発していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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