2010 Fiscal Year Annual Research Report
海洋性糸状菌が生産するセルラーゼの耐塩・耐熱性機構の解明
Project/Area Number |
22780289
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
水野 正浩 信州大学, 工学部, 助教 (60432168)
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Keywords | Pestalotiopsis / セルラーゼ / 耐塩性 / エンドグルカナーゼ |
Research Abstract |
海洋性糸状菌の一種であるPestalotiopsis sp.AN-7は、セルロースを含む培地で培養すると数種類のセルロース分解酵素を分泌する。本研究では、それらの中で耐塩性及び耐熱性を有するβ-1,4-エンドグルカナーゼ(Ce15A)について着目し、その機構をタンパク質の立体構造的観点から解明することを目的とした。本年度は、麹菌によって菌体外に発現分泌させた組換えCe15A (rCe15A)を、2種類の陰イオン交換クロマトグラフィー及びゲル濾過カラムに供することで、電気泳動的に単一なrCe15Aを得ることができた。また、市販の結晶化条件探索キットを用いて、針状の微小結晶を得ることができたが、現段階ではX線回折強度測定に適した結晶を得るには至っていない。一方で、GH5に属するエンドグルカナーゼとの相同性検索より、触媒残基として推定された2箇所のグルタミン酸(E152及びE259)をそれぞれグルタミンに部位特異的変異導入したE152Q及びE259Qを作製した。両変異型酵素のCMC分解活性は認められず、両グルタミン酸残基がCe15Aにおいても触媒残基であることが強く示唆された。今後は、X線回折強度測定に適した結晶作成のための結晶化条件最適化を進め、rCe15Aの立体構造を決定すると同時に、変異型Ce15Aを用いて、基質との複合体構造についても明らかにし、基質結合に関与する部位の特定を行っていく予定である。
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Research Products
(2 results)