2010 Fiscal Year Annual Research Report
新奇ヒ素トランスポーターの単離に向けた究極の酵母タンパク質発現ライブラリーの構築
Project/Area Number |
22780291
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
秋廣 高志 島根大学, 生物資源科学部, 助教 (40508941)
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Keywords | トランスポーター / ヒ素 / GAP-repair cloning |
Research Abstract |
重金属を吸収するトランスポーターの単離方法として、これまでに植物の変異株(T-DNA挿入株やEMS変異株)や酵母タンパク質発現ライブラリーのスクリーニングが行われている。本研究は、重金属トランスポーター単離における究極の酵母タンパク質発現ライブラリーの構築を目指す。これまでに37132個のイネ完全長cDNAが単離されている。そのうち、トランスポーターと類推されているのは1353個ある。1353個全てのトランスポーターを発現するライブラリーはトランスポーター研究において有益であり、そのようなライブラリーが構築されたという報告はない。本年度は、イネゲノムリソースセンターから1353個のトランスポーター遺伝子(完全長cDNA)を入手した。続いて、遺伝子部分のみを、正確性が高いポリメラーゼ(PrimestarMax)にて増幅した。PCRに用いたPrimerの末端には、タンパク質発現用ベクター(pYES2)との相同配列が付加されている。続いて、得られたPCR産物と直鎖状のpYES2ベクターを酢酸リチウム法を用いて出芽酵母(W303-1A株)に形質転換した。W303-1A株中で相同組み換えによってPCR産物はpYES2ベクターに挿入される(GAP-repair cloning法)。遺伝子の挿入されたプラスミドを抽出し、抽出したプラスミドを大腸菌に形質転換しプラスミドを抽出した。得られたプラスミドをシークエンスし目的の遺伝子が正しく挿入されているものを選抜した。最終的に約1300クローンをサブクローニングすることに成功した。得られたプラスミドは、ヒ素に対して感受性を示す出芽酵母(W303-1AΔacr3Δycf1)に形質転換した。形質転換した酵母を96穴フォーマットのディープウェルプレートにてグリセロールストックし-80℃で保存した。96穴フォーマットで保存することで、スクリーニングが効率良く行えるように工夫した。平成23年度以降は作成したライブラリーを用いて重金属トランスポーターの単離を行う。
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