2010 Fiscal Year Annual Research Report
ポリリン酸共役型輸送エンジニアリングによるカドミウム浄化植物の創生
Project/Area Number |
22780295
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
長田 武 摂南大学, 理工学部, 講師 (70411709)
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Keywords | カドミウム汚染土壌 / ファイトレメディエーション / 遺伝子組換え植物 / カドミウムトランスポーター / ポリリン酸 |
Research Abstract |
カドミウム汚染土壌の継続的で安全かつ簡便な浄化を目的に環境保全型の遺伝子組換え植物の創生を目的とする。本研究では、既に創生した二価金属キレート活性を有するポリリン酸合成能を付加したポリリン酸キナーゼ(ppk)遺伝子組換えタバコへ、浄化完了に要する時間を短縮するためにカドミウムトランスポーターZip8を導入し、ppk/zip8組換えタバコを創生するものである。 本年度、ppk遺伝子組換えタバコゲノムへのカドミウムトランスポーター遺伝子zip8の導入を行うために、まず,zip8遺伝子の3'末端側下流にタグタンパク質であるHA配列を付与するため、PCR法によりzip8-ha遺伝子断片を合成した。本遺伝子断片をバイナリーベクター(pBIDAVL)へ導入し、大腸菌XL1-Blue Subcloning-Grade Competent Cellsへの形質転換を試みた。得られた組換え大腸菌からzip8-ha遺伝子断片を有するプラスミドを抽出し、タバコゲノムへ遺伝子導入能を有するAgrobacterium tumefaciensへの遺伝子組換えプラスミドの導入に成功した。 また、植物内でzip8-ha遺伝子が効率的に転写・翻訳されない可能性があるため、植物細胞内に部いて、翻訳され易いようにPT配列(AACCACA)をzip8遺伝子の5'末端側の上流に配したzip8-ha遺伝子断片を合成した。さらに、カリフラワーモザイクウィルス由来であり、ppk遺伝子の転写を強力に促進させるプロモーターである35S遺伝子及び、35S遺伝子のプロモーター作用を亢進させる働きがあるE12遺伝子及びΩ遺伝子配列を有するバイナリーベクター(pHM6)へ本遺伝子断片を導入し、大腸菌への形質転換を試みた。
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