2011 Fiscal Year Annual Research Report
ポリリン酸共役型輸送エンジニアリングによるカドミウム浄化植物の創生
Project/Area Number |
22780295
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
長田 武 摂南大学, 理工学部, 講師 (70411709)
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Keywords | ファイトレメディエーション / カドミウム / ポリリン酸 / Zip8 |
Research Abstract |
カドミウム汚染土壌の継続的で安全かつ簡便な浄化を目的に環境保全型の遺伝子組換え植物の創生を行う。我々が考案する遺伝子組換え植物によるカドミウム浄化方法は、植物が根からカドミウムを吸収し、二価金属イオンに対してキレート形成能を有するポリリン酸によりカドミウムイオンがキレートされ、低毒性のカドミウム-ポリリン酸として植物に回収するものである。本研究ではポリリン酸合成能を有する組換えタバコへ、浄化完了に要する時間を短縮するためにカドミウムトランスポーターZip8を導入し、ppk/zip8組換えタバコの創生を試みた。 まず、ポリリン酸合成能を有するppk遺伝子組換えタバコに、マウス由来のカドミウムトランスポーター遺伝子zip8を導入するため、プラスミドpBIDAVL-GWR1/mZIP8-HAを作成した。本プラスミドを植物ゲノムに遺伝子導入能を有するAgrobacterium tumefaciensへ形質転換し、タバコ葉へ感染させた。感染後、植物細胞をカルス化およびシュート化し、遺伝子組換え候補株が5株得られた。得られた5株について、液体培地中で培養し、適宜葉を採取した。葉のゲノムDNAを抽出し、zip8遺伝子に特異的なプライマーを用いたPCRによりzip8遺伝子導入の確認を行った。その結果、1株にzip8遺伝子の増幅が観察され、ppk/zip8遺伝子組換えタバコの創生に成功した。また、得られた遺伝子組換えタバコの表現型を調べたところ、野生株やppk遺伝子組換えタバコと比較して、極めて生育が遅く、矮小であることが分かった。
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