2011 Fiscal Year Annual Research Report
酵母における細胞内マグネシウム濃度設定実験系の開発
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22780300
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田野井 慶太朗 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (90361576)
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Keywords | マグネシウム / イネ / MRS2 / 酵母 / Mg-28 / 加速器 / クローニング / 高等植物 |
Research Abstract |
Mg-28の製造については、震災の影響から放射線医学総合研究所にて急きょ実施することになり、製造工程の立ち上げを行った。無事、純度の高いMg-28を製造することができたので、今後の実験に供することにした。 昨年度までの研究から、イネから少なくとも2つのMRS2遺伝子にMg輸送体があることを、Mg輸送能欠損酵母であるCM66を用いた機能相補実験で示すことができた。つまり、双方のMRS2遺伝子とも放射性同位体であるMg-28を輸送することが判明した。そこで今年度は研究をより発展させて、MRS2遺伝子の役割について解析を行った。酵母を用いてMg-28吸収解析を行った時に、最もMg輸送能が高いと判明したOsMRS2-6に着目した。OsMRS2-6のmRNA蓄積量を調べたところ、葉において日周変動があることがわかった。すなわち、午前中が最も多く、夜に向けて単調に減少した。また、細胞内局在をGFP融合タンパク質として調べたところ、葉緑体に局在することが示唆された。次に、この遺伝子の生育への影響を調べるために、RNAiの手法でノックダウン体の作出を行った。その結果、およそ20%までmRNA蓄積量が減少したイネ変異体を作出することができた。できたイネを観察したところ、幼年期や成熟期でも生育に違いは見いだせなかったが、収穫期の穂を調べたところ、正常なコメの割合が、ノックダウン体の方が少なかった。これは、このMg輸送体が何らかのメカニズムで収穫期に大きな役割を果たすことを示している。今後、光合成活性やMg濃度をこのノックダウン体で調べることで、当該遺伝子の役割を調べる必要があるものと思われる。
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[Presentation] Application of Mg-28 to the Kinetic Study of Mg Uptake by a Rice Plant2012
Author(s)
Tanoi, K.; Saito, T.; Iwata, N.; Kobayashi, N.I.; Hirose, A.; Ohmae, Y.; Iwata, R.; Suzuki, H., Nakanishi
Organizer
9th International Conference on Methods and Applications of Radioanalytical Chemistry
Place of Presentation
Kailua-Kona, Hawaii USA
Year and Date
2012-03-28
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