2010 Fiscal Year Annual Research Report
抗体医薬品開発のためのラクダ一本鎖抗体の新しい試験管内抗体作製法
Project/Area Number |
22780304
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
中山 祐二 鳥取大学, 生命機能研究支援センター, 助教 (40432603)
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Keywords | ラクダ一本鎖抗体 / ヒト人工染色体 / 抗体多様性産出 / ADLib法 / V(D)J組み換え |
Research Abstract |
本研究では、ラクダ抗体の多様性をADLib法によって増大させるために、V(D)J組み換えが起きたラクダ抗体遺伝子座をニワトリDT40細胞内に確保(クローニング)する必要があった。よって目的の資材を得るために、ラクダ抗体遺伝子座を含むヒト人工染色体を導入したキメラマウスの脾臓細胞を用いてハイブリドーマの作成を試みた。4つのハイブリドーマ様細胞が得られたが、ラクダ抗体遺伝子座を含む人工染色体そのものが脱落しており、それらのクローンを再クローニングしても、人工染色体の確認まではいけなかった。ソースとして利用したキメラマウス内ではV(D)J組み換えをRNAレベルで、また、血清中にも微量ながらラクダ抗体を検出できたにも関わらず、B細胞の数が著しく減少していたため、ラクダ抗体を産生するハイブリドーマが得られなかった一因であると考えられた。V(D)J組み換えを起こした事実は確かであり、in vivo、特にB細胞や血液系細胞系で脱落が起きにくいような人工染色体の改良に着手している。Ex vivoの逆に相当するが、目的のゲノム再構築をin vivoで行わせて、また人工染色体として回収できるのは、本研究の特長であるので、今後その方法論の有効性を実証し、ラクダ一本鎖抗体の試験管内作成および多様性増大ライブラリーの構築を目指す。 一方で、我々は今後の展開の一つとして、V(D)J組み換えを担うタンパク質であるRAG遺伝子を強制的に発現し、DT40細胞内でV(D)J組み換えを誘導する試みも検討し、ニワトリDT40細胞内にラクダ抗体遺伝子座を含むラクダ染色体を導入したクローンを樹立した。この導入したラクダ染色体の抗体遺伝子座は組み換えが起こっておらず、それを人工的に誘導する系を構築している。
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Research Products
(3 results)