2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナチュラルバリエーションを利用した植物の耐塩性メカニズムの解明
Project/Area Number |
22780305
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
太治 輝昭 東京農業大学, 応用生物科学部, 助教 (60360583)
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Keywords | ストレス耐性 / 分子育種 / 塩ストレス / トランスジェニック植物 / 砂漠化 |
Research Abstract |
本研究では、自然界で高い耐性を示す植物がどのようにして耐性を獲得しているのかを遺伝学的に明らかにすると同時に、その遺伝子資源を用いて、耐性付与遺伝子の網羅的な探索、および耐塩性作物の作出を試みることを目的として研究を進めている。 本年度においては、塩生植物Thellungiella完全長cDNAを用いた耐性付与遺伝子の探索において進展が見られた。完全長cDNAライブラリーに含まれる「転写因子(374遺伝子)」および、「高温ストレス関連遺伝子(264遺伝子)」を対象にスクリーニングしたところ、それぞれそれぞれ1つずつ、シロイヌナズナに顕著な塩ストレス耐性あるいは高温耐性を付与することの出来る遺伝子を見出すことに成功した。どちらの遺伝子も複数のトランスジェニック植物ラインで耐性が認められること、野生型の植物と比較して高発現していることを確認した。また、両遺伝子とも過剰発現することによって耐塩性や高温耐性が向上するという報告例はなく、耐性を付与できる新規の遺伝子であった。 来年度の課題としては、これらの遺伝子が野生型の植物において、どのような遺伝子発現を示すのか、ストレス応答あるいは組織別の発現解析を行うこと、またシロイヌナズナのオーソログ遺伝子を過剰発現させても、Thellungiellaの遺伝子と同様に耐性を付与できるのかを調べる必要がある。シロイヌナズナのオーソログ遺伝子については本年度内に、シロイヌナズナへの形質転換を行い、トランスジェニック植物を取得した。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Comparative genomics by analizing of 1,047 completely sequenced cDNAs from an Arabidopsis related model halophyte, Thellungiella halophila2010
Author(s)
Taji T., Komatus K., Katori T., Kawasaki Y., Sakata Y., Tanaka S., Kobayashi M., Toyoda A., Seki M., Shinozaki K.
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Journal Title
BMC Plant Biology
Volume: 10
Pages: 1-10
Peer Reviewed
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