2011 Fiscal Year Annual Research Report
ナチュラルバリエーションを利用した植物の耐塩性メカニズムの解明
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22780305
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
太治 輝昭 東京農業大学, 応用生物科学部, 准教授 (60360583)
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Keywords | 塩生植物 / 完全長cDNA / 耐塩性 / トレンスジェニック植物 / 高温耐性 |
Research Abstract |
Thellungiella salsugineaは、シロイヌナズナと近縁種にも関わらず、海水程度の塩濃度下でも生育可能で、遺伝学的な解析に向いた特徴を持つほか、近くゲノムシークエンスも公開される予定であり、モデル塩生植物として注目されている。これまでの研究において、Thellungiella由来の完全長cDNAライブラリーを作製し、これらcDNAsを用いた機能獲得型スクリーニング、FOX huntingにより耐塩性あるいは高温耐性を付与する遺伝子の同定を進めてきた。本年度は昨年度までのスクリーニングで得られた耐塩性・高温耐性付与遺伝子の機能解析を行った。 昨年度までに、耐塩性付与遺伝子と高温耐性付与遺伝子を1個ずつ、FOX huntingにより同定することに成功した。1個の高温耐性付与遺伝子については、転写因子をコードしており、マイクロアレイ解析の結果、高温誘導生遺伝子群が顕著に発現誘導されていることが明らかとなった。乾燥耐性に関わることが知られている遺伝子が顕著に高発現していたことから、乾燥耐性に供したところ、顕著な乾燥耐性も示すことが明らかとなった。論文に必要なデータが出そろったため、現在投稿準備中である。耐塩性付与遺伝子についても、転写因子であったことから、本遺伝子が遺伝子発現制御している下流遺伝子群を明らかにするために、マイクロアレイ解析を行った。しかしながら、非ストレス条件の野生型植物とトランスジェニック植物を比較したところ、大きな違いは認められなかったことから、ストレス処理により活性化される転写因子であることが示唆された。実際にいくつかの遺伝子についてストレス条件下における野生型とトランスジェニック植物の発現解析を行ったところ、違いが認められた。さらに本年度のスクリーニングにより、耐塩性および高温耐性の両方を付与する遺伝子を1個見いだすことに成功した。
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[Journal Article] Analyses of leaves from open field-grown transgenic poplars overexpressing xyloglucanase2012
Author(s)
Kaku T, Baba K, Taniguchi T, Kurita M, Konagaya K, Ishii K, Kondo T, Serada S, Iizuka H, Kaida R, Taji T, Sakata Y, Hayashi T
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Journal Title
J Wood Sci
Volume: (In press)(未定)
Peer Reviewed
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[Presentation] 耐塩性シロイヌナズナが有する塩馴化機構の解明2012
Author(s)
太治輝昭, 香取拓, 有賀裕剛, 井内聖, 小林正智, 篠崎一雄, 吉原亮平, 野澤樹, 長谷純宏, 鳴海一成, 坂田洋一, 林隆久
Organizer
日本植物生理学会
Place of Presentation
京都(招待講演)
Year and Date
2012-03-16
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