2012 Fiscal Year Annual Research Report
枯草菌における植物由来芳香族化合物に応答した複合的遺伝子発現制御の解析
Project/Area Number |
22780306
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
広岡 和丈 福山大学, 生命工学部, 准教授 (20389068)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 発現制御 / 枯草菌 / フラボノイド / インドール-3-酢酸 / 土壌環境 / 根圏 |
Research Abstract |
枯草菌が根圏環境を認識するためのシグナル分子として植物由来芳香族化合物を利用すると予想し、これらに応答する転写制御系の解析を進めてきた。本年度はインドール3-酢酸(IAA)に応答する制御系の解析に重点を置いた。DNAマイクロアレイ解析によって、yhbIJ-yhcABCDEFGHIオペロン内の幾つかの遺伝子の転写量がIAA添加で上昇することが示された。yhbIとyhcFはそれぞれMarRとGntRファミリーに属する転写因子をコードすると推定され、これらがオペロンを抑制し、IAA(あるいはその代謝中間体)に応答して脱抑制すると予想された。各タンパク質とオペロン上流制御領域に対応するDNAプローブを用いたゲルシフト解析により、YhbIがこの領域に特異的に結合するがYhcFは結合しないことが示された。次いで、IAA、その誘導体、あるいはIAA代謝中間体を添加した条件でゲルシフト解析を行ったが、いずれの化合物によってもYhbIのDNA結合は阻害されなかった。さらに、大腸菌ホモログでの報告をもとにYhcBがYhbIまたはYhcFのDNA結合に影響すると予想し、YhcB存在下でのYhbIとYhcFの制御領域への結合能と、それらのIAA関連化合物に対する応答性をゲルシフト解析で評価したが、影響は認められなかった。また、DNase Iフットプリント解析で制御領域内のYhbI結合領域を決定し、その中にYhbIの特異的結合に重要であると考えられる不完全なパリンドロームを見出した。一方、オペロン制御領域とlacZとを連結した構築を導入した枯草菌株を用いてレポーター解析を行い、IAA関連化合物による誘導効果を調べた結果、ゲルシフト解析では効果が認められなかった化合物の幾つかにレポーター活性の誘導能があることがわかり、IAAが直接YhbIに作用してそのDNA結合を解除するのではないことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)