2010 Fiscal Year Annual Research Report
ローダサイクル中間体を利用した多環式化合物の効率的合成法の開発と不斉合成への応用
Project/Area Number |
22790002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大西 英博 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (70399955)
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Keywords | ロジウム / ヒドロアシル化 / NHC / アルキン / アレン / アルデヒド / 環化二量化 |
Research Abstract |
含窒素ヘテロ環カルベン、いわゆるNHCを配位子に持つロジウム触媒とアレンインとアルデヒドとの環化反応を検討したところ、5員環と8員環もしくは6員環と8員環が縮環した二環式化合物が良好な収率で生成することを見いだした。また、本反応は光学活性な基質を用いた場合に、不斉転写が起こり、光学活性な二環式化合物を与えることも明らかにした。一方、本反応を分子間反応へと展開すべく検討中に、アレニルアルデヒドの分子内ヒドロアシル化反応が進行することを見いだした。分子内ヒドロアシル化反応は、アルケンやアルキン等いくつかの多重結合で報告があるが、アレンに関してはこれまで報告例がなかった。そこで詳細に反応条件を検討したところ、本反応では添加剤としてアルキンを加えると反応は速やかに進行し、5員環化合物を与えることが明らかになった。このことは、一見反応に全く関与しないと考えられるアルキンが配位子として作用していることを示しており興味深い。また、アレンの分子内ヒドロアシル化反応はアレン上の置換基の影響を大きく受けることもわかった。すなわち、アレン末端にターシャリブチル基を持つ場合にのみ、定量的に目的の5員環化合物を与えることがわかった。一方、アレン末端に置換基を持たない場合には、基質の環化二量化反応が位置及び立体選択的に進行し、良好な収率で三環式化合物を与えることがわかった。現在、この環化二量化反応の基質の適用範囲の拡大及び反応機構の解明を目指し検討中である。
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Research Products
(6 results)